混合学年や複数担任制もあるフランスの小学校特有の学年編成について詳しく解説します

フランスの小学校 学年

 

Bonjour à tous! 渋柿です。

 

 

新学期が始まり、最初の一週間が終わろうとしています。新学期は新たな書類の提出や、習い事や学童などの各種申し込みが一度に始まるので、気の抜けない日々が続きます。

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2016.11.25

 

やっと落ち着いた〜と思う10月半ばには2週間に及ぶToussaint(万聖節)の休みに入る、というのが毎年の流れです。

 

我が子が通うフランスの公立小学校では、クラス編成の蓋を開けてみると、今年は「複数担任クラス」が非常に多いのが特徴的です。そして、「学年混合クラス」も散見されます。

 

複数担任クラスとは

 

この9月から、子供が通う公立小学校の3年生、4年生、5年生(CE2, CM1, CM2)のすべてのクラスが、担任が二人以上いるクラスになりました。

 

1クラスに2人の先生が常駐するのではなく、曜日や時間によって担任が入れ替わります。先生が、他の研修に参加していたり、幼い子供がいるといったような家庭事情で先生が時短で働く場合などに、担任を二人以上置くということがよくあります。

 

うちの子供が幼稚園の年長の時に複数担任クラス、且つ、学年混合クラスでした。担任の一人が校長を兼務していたので、校長業に徹する火曜日と水曜日に、もう一人の先生がクラスを担当する、という形式でした。複数担任制自体は、運営上特に問題ありません(学年混合クラスは、私としてはあまり評価していませんでしたが)。

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だから、複数担任クラスは珍しいものではありません。しかし、3年生から5年生までの3学年のすべてのクラスが複数担任クラスというのは、驚きます。しかも、5年生のとあるクラスは、3人の担任制です!(3人のうち1人は産休中とのこと)

 

この学校は、去年の4年生のクラスで、先生が来なくなってしまうというアクシデントがあったので、それに対する施策なのかな?とも思います。業務過多のため、先生が職場放棄してしまって、授業が進まなくなったそうです。

 

複数担任クラスのメリット

 

メリットはいくつか考えられますが、先生の長期病欠だけでなく、フランス特有の事情に対しても「もし先生が来なくなってしまっても、完全に授業を止めずに済む」ということがメリットになります。

 

フランス特有の事情とは? 増えすぎた仕事は放棄する!ということ

フランス人の労働意識には、自分の持分以外の仕事をする、ということは全く入っていないようです。だから、自分の持分以外の仕事がのしかかってくると、結構あっさりと職場を放棄します

 

これはもちろん、学校の先生に限ったことでもなければ、皆がすべてそうだというわけでもありません。

 

去年、4年生の担任がクラスを放棄したのは、教育予算削減の煽りをくらって学習に困難のある子供のサポートをする人材をカットされ、その分自分が学習に困難のある生徒を見なくてはならなくなったからだそうです。そんなに仕事を増やされて、できっこないじゃない!!ってことだと思います。

 

また、銀行に勤める私の友人も、給料は変わらないのに上司から仕事をどんどん増やされ、しばらくの間職場を放棄していました。「私はスーパーウーマンじゃないわ!」って言っていました。

 

ストライキの変形版、といったところでしょうか。

 

近所の中学校では、第二外国語の先生が数カ月にわたって職場を放棄して(理由はわかりませんが)、親たちがカンカンに怒っていました。

 

このように、学校の先生に限らず、フランスでは労働者の権利意識が非常に高いので、ストライキ的に人が来なくなるということは起こり得ます。

 

尚、ストライキの変形版ではなくて、先生たちの純正ストライキもあります。ストライキは事前に予告があり、ストライキ参加者grévisteの先生のクラスは休講になります。

今日はストライキで小学校がお休み。フランスでは学校の先生もストライキをするのです。

2017.10.10

 

複数担任のデメリット

 

担任が複数いれば、お互いが相手に遠慮してクラス運営に消極的になったり、もう一人いるのだからと無責任になったり、ということがあり得ます。

 

昨年小学校で複数担任クラスを経験した方によると、先生が二人ともあまり熱心ではなく、宿題も、これといった行事も何もなかったそうです。おかげで、そのクラスでは1年間宿題がほとんど無い状態で、子供がどんな学習をしているのか親が全くわからなかった、と不満を漏らしておられました。

 

フランスでは、担任の裁量が非常に大きいですから、アイデア豊富な担任に当たると、クラスでの行事も華やかなものになります。昨年の担任は、1年間にわたるテーマを掲げて、子供たちを方向づけていて、私としては非常に評価が高かったです。

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2016.11.24

 

我が家では、今年初めて小学校の複数担任クラスを経験しているので、先生二人とも熱心でなくなることを心配しています。子供のクラスでは、月曜〜火曜、水曜〜金曜で担任が変わります。どうなることやら。

 

 

学年混合クラスとは

 

日本では考えにくいですが、フランスの学校には普通に存在します。別に、過疎でもなんでもありません。1クラスに28名程度集まらないと、国から予算がもらえなくなり、クラスがお取り潰しになってしまうそうです。だから、28名程度のクラスを編成するために、学年を混ぜて1クラス分編成します。

 

上にも書きましたが、ウチの子が幼稚園の年長のとき、複数担任制且つ学年混合クラスでした。

 

担任は、同時に2学年の子供たちを見るわけですから、「手のかからない子」が選ばれる傾向があるそうです。落ち着いたクラスを期待できます。その点がメリットでしょうか。

 

国語と算数に関してだけ、それぞれの学年の内容を学習し、社会や理科や美術などの教科は同一内容だそうです。その点が、デメリットになり得ます。

 

しかし、知人のフランス人がいうには、国語と算数さえきちんとすれば、ほかの教科はどうでもいいから、このやり方で問題はない!とのことです。合理的です。

 

まとめ

 

混合クラスについて

もし自分の子供がまた学年混合クラスに入ったら?私はちょっと嫌ですね。年長の時の混合クラスでメリットが感じられませんでしたから。小学生だと、クラスの半分が違う勉強をしている状況って、気が散るとおもうのですよね。だから、自分の子供が混合クラスに入ることがあれば、「今年はちょっとハズレだったわ〜!」って思います。

 

しかし、国家予算が逼迫している現状では、合理的に学校運営していくためには、無駄を省くのはもちろんのこと、単一学年クラス・一人担任にこだわっている場合ではないということかもしれません。

 

日本的見方では、こんな風になんでもかんでも合理的に処理していく、ということは心情的についていけないような気がします。

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2017.10.05

 

しかし、日本も老人ばかりが増える将来、年金や社会福祉など、どうなるのかわからないのですから、必要な部門に予算を回すために削れる予算は削るためには、フランスのやり方は参考になるのかもしれません。

 

複数担任制について

自分の持分以外の仕事を振られたら、職場放棄する!!!って、全人格労働を強要されがちな日本人にとっては斬新です。あー、こういう抗議のしかたもあるのね!!って、感心しました。

 

子供のクラスの担任がもし職場放棄したら?嫌ですけど、仕方がないですね。複数担任なので、片方の先生の授業はあるわけだから、それで我慢せざるを得ません。文句言ったところでどうにもなりませんしね。休講になれば、家で家庭学習しておけばいいと思っています。

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もしかしたら、日本の労働者もこのように勇気をもって(?)意思表示をしはじめたら、日本のキツイ労働環境もゆっくり変化するかもしれません。

 

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A bientôt!

ABOUTこの記事をかいた人

渋柿

日日家庭の妻。フランスの公立小学校に通う子供の母であり夫は日本人。フランスに移住して5年。投資歴10年。音楽歴は30年以上。フランス語はアリアンスでC1クラスに入るレベル。国際結婚でも駐在奥様でもない独自の視点で、フランスから海外移住や学校生活など様々な話題を渋くお届けしています。