Bonjour à tous! 渋柿です。
フランスの私立校は二種類あります。sous contrat と hors de contrat といって、前者は国からの補助金が降りている学校、後者は補助金がなく完全に個人経営の学校です。私が見学に行ったのは前者です。
さて、転校させる気満々でオープンキャンパスに行ってきた話の続きです。一通り見学し、入学申し込み用紙をもらって帰ってきました。

さてどうする!?申し込むか申し込まないか!?
やーめた!
結果から言うと、
私立小学校には申し込まないことにしました!! チャンチャン
なぜかというと、うちの子を公立小学校に通わせていて心配に思っていたことのうち、幾つかは解決し、防御可能な部分もあるから。それに、バス通学になって送り迎えの負担が増えることなどを考えると、私立に転校して得られるメリットがそれほど大きくないような気がしたこと。そして、決定的だったのが、うちの子供がその学校に通っている様子を想像できなかったことです。
それに、よくよく考えてみると、算数は家庭学習でうまくやっているので、フランスの小学校でどの辺を習おうが、多少宿題が多く出ようが出まいが関係ないし、低学年のうちは特に、学校ではフランス語さえきちんと教えてくれれば我が家としては十分なんです。何度も書いていますが、フランスの学校ではフランス語をそれはそれは熱心に指導してくれます。ハズレの先生に当たれば一年を棒に振りますが、普通の先生に当たれば、とりあえず問題ないです。

それに、日日家庭の我が家としては、日本語がしっかりできるようになることが第一で、フランス語はおまけのようなものです。ということはつまり、学校教育に算数はもちろん、フランス語の授業もそんなに高いレベルを要求しているということではないのです。うちの子の性格的にも、余程酷い環境で登校拒否にでもならない限り、どんな学校でも良い成績を取ろうと努力するだろう、という見立てもありました。
結局、ガヤガヤとうるさいことがあるだろうけど、先生がちゃんと教えてくれて、大過なく普通に過ごせればそれで良しということです。それに、うちの子は今の担任の先生のことをとても恐れ尊敬しています。なら今のままでいいんじゃない?ってよく考えてみて気付きました。

私立も経営が大変そうだ
決して、入れ物が立派であれば立派な教育ができるわけではないということはわかっています。ハードじゃないよ、ソフトだよ、ということです。でも、驚くほどの施設や備品のボロボロさ、窓のない教室の暗さに関しては、「私立も経営が大変なんだなあ」という印象がとても強く残りました。そして、どうしても、窓のない部屋で英語の勉強やチェスをしているうちの子の姿が想像できなかったです。
見学した私立学校の先生たちは親切そうでしたが、うちの子が通う公立小学校の先生も特に愛想がわるいというわけではありません。普通です。勉強面では、テストの内容を見てみると、きちんと指導してくれているのが分かります。子供の顔と名前を一致させているのは、担任と音楽の先生くらいなものですが、それで十分といえば十分です。
そして、私立には手のつけられないような暴れん坊は入学しないかもしれませんが、そもそも選抜試験があるわけではないから、それなりに色々な子供がいるだろうし、グランゼコールを目指す子供が通う私立でもない限り、特別高いレベルの授業を受けられるわけでもないでしょう。それに、窓のない教室があったり、普段の授業の教室も雑然としていて、特別落ち着いて生活出来る環境というわけでもないような印象でした。
さらに、すべてのクラスで「28人いる」と先生がおっしゃっていました。ある先生は、「本当は27人にするようにと言われているんだけど、」と言っていました。ということは、空きがないということでしょう。それでもなお、うちの子をお願いします!とゴリ押しするほど転校させたいとも思えなかったです。というわけで、現状維持でいく!という結論がでました。
昔は「公立が当たり前」だったらしいです
一昔前までは、「フランスでは高校までは近所の公立に行くのが当たり前」だったそうです。友達のグランゼコール出身者も高校までは公立学校出身です。私がフランスに来たころ、「基本は公立。私立といえば、問題児が行くところ。」と言っていた人がいました(今思うと、おそらく、hors de contratの私立学校のことを言っていたのだと思いますが)。ですので、何の迷いもなく公立幼稚園に入れてそのまま公立小学校に行かせていました。
しかし、小学校に入ってから、休み時間に校庭で怪我をさせられたり、盗難があったり、ざわざわした教室で他の生徒と一緒くたに先生に怒られた〜、と不満たらたらで帰ってくると、「私立だともっと安心して通わせられるのかな?落ち着いて授業をうけられるのかな?」と考えるようになってきました。フランス人でも同じように考える親がいるようです。フランス人の友達が言うには、年々私立に行かせたがる親が増えてきているとのこと。
ですから、見学に行く前は転校させる気満々でした。このような結果が出て自分がびっくりしています。今回の出来事で、私立小学校の見学もできたし、公立小学校の良い面を再発見できたし、よい経験でした。
▼そんな私立小学校に通うのにかかる費用はどのくらいか気になりませんか?

まとめ
うちの子が通っている公立小学校の心配と対応策
- セキュリティ→セキュリティの甘い朝のギャルドリーの時間帯は、我が家では利用しない
- 手に負えない暴れん坊がいて、いつ怪我をさせられるかヒヤヒヤしていたこと→転校した(知らなかったよ)
- たまに盗難がある→学校になくなって困るもの、高価そうなものは持っていかないようにする
- 授業中、自分は静かにしていてもおしゃべりをやめられない生徒と一緒くたに怒られる→スルー力を鍛える
うちの子が通っている公立小学校の良いところ
- 徒歩で近い
- 近いから家に帰ってお昼ご飯を食べることもできる(お昼休みを家で有意義に過ごすことができる。又は、給食代の節約をしようと思えばできる)
- 卒業生の親からの学校の評判が良い
- 先生がしっかりしている(たまたまかもしれないけど)
- 水曜日はお昼まで授業がある(我が家はお稽古事は午後からで十分)
- 仲の良い友達がいる
- 校舎や教室などは見学した私立同様に古いが、よくメンテナンスされていて中に入るとそれほど古さを感じさせない
- 無料!
見学した私立に転校させるデメリット
- バス通学で時間がかかる
- 遠いから家に帰ってお昼をたべることはできない(給食代が必ずかかる)
- 設備が古い、窓のない教室、給食室の階段が危ない
- 今仲の良い友達と別れなくてはならない
- 今の立ち位置を放棄し、新しい学校で一からやり直すことになる
- 交通費がかかる
- 授業料がかかる(日本の私立に比べると激安ですが)
見学した私立に転校したらよくなる点
- 暴れん坊がいない→でも、うちの子が通う学校の暴れん坊は転校したから解決済み
- 国外への修学旅行がある→でも、我が家の旅行で連れて行けば良い
- 保護者会のカオスっぷりは、きっと公立よりマシと思う→でも、結局色々な親がいそう
どちらも変わらないと思う点
- 色々な子供がいる
- 色々な親がいる
- 給食費が高い(日本と比べるとびっくりするほど高いです)
かくして、転校させたい熱が下がったのでした。
A bientôt!