フランスの小学校では1年生からノート作成を通じて合理的精神を叩き込まれる!フランス語と算数のノートの中身と勉強方法

 

Bonjour à tous! 渋柿です。

 

私が小学生の頃は、ジャポニカ学習帳を使っていました。花や昆虫の写真が表紙になっていて、内側に小話が書いてあり、授業中に眺めたり読んだりしていたことを覚えています。

 

フランスの小学校で使うノートは、横に細かい線が入っています。うちの子のクラスでは、先生が教科名と名前を記入してから支給されます。

 

上の写真は、1年生で使ったノートです。

 

左がフランス語、右上が算数、右下が連絡帳類と暗記帳。右下のオレンジ色のノートだけ自分で購入します。cahier de texteといって、毎日宿題や明日の持ち物をメモするノートです。

 

フランス語ノートの中身はどうなっているの?

 

1年生から筆記体で書きます

 

アルファベットを筆記体で習います。幼稚園の年長クラスから少しづつ練習させられますから、入学時には自分の名前くらいは書けるようになっています(遅くとも2017年以降は幼稚園年長クラスでは筆記体は習わなくなりました)。年長さんの子供たちの間では、筆記体が書けるとカッコイイそうです。書けるようになってくると、「もう私、書けるもんね!」という感じです。

 

うちの子が年中のときに、年長さんが筆記体の練習をしているのを見て憧れていました 笑。

 

小学校1年生に上がると、先生から懇切丁寧に指導が入ります。日本の小学1年生の最初でひらがなを習うときに、「とめ・はね・はらい」を徹底指導されるのと似ています。小学1年生を担当する先生は、それはそれは美しい筆記体をお書きになります。1クラス25人程度ですから、それはそれは丁寧に指導されます。

 

下の写真は、1年生で使用した3冊のノートです。上から時系列に並んでいます。
9月の新学期には鉛筆でアルファベットをAから一つづつ習いました。1月にはボールペンで書くようになりました。1年生の終わり頃である6月にはスラスラと筆記体で書けるようになります。

 

9月、1月、6月のフランス語ノート。筆記体は徐々に上手になっていきます。

 

というわけで、フランス語を書くときには、最初から常に筆記体で書くことを求められます。ブロック体は習いませんでした。

 

「読める」というのは、フランス語学習の一つの目安

 

1年生の親たちの間では、

「もう読めるようになった?」
「えー、キャミーユはもう読めるの!すごい、早いね!」
「うちの子はまだ、-entをオンって発音しちゃうのよ。」

なんていうことが頻繁に話題にのぼります。

 

フランス語は、表記と実際の音がかなり違うので、読めるようになるというのは、フランス語の学習が定着している目安になります。もっとわかりやすく言うと、あっという間に読めるようになったとか、いつまでたっても読めるようにならない、というのは、intelligenceをはかる目安にもなってしまいます。この辺は日本語でも同様ですが、フランス語の方が、より「読めるようになる」ということを重要視します。日本語は、ひらがなと音が一致していますから、とりあえず読めるようになるのは早いものです。

 

1年生のフランス語は、筆記体で書くことと同時に、綴りと発音の関係(la phonetique)について徹底的に教えられます。そして、徐々に読めるようになってきます。読めるというのは、意味が取れるというよりもむしろ、正しく音読できるという意味で重要です。繰り返しになりますが、フランス語は、見た目の綴りと発音がだいぶ違うので(読まない子音をたくさん表記するから)、正しく音読するのは非常に難しいです。

 

「書く」のは1年生の終わりころから

 

フランス語を「書く」のは、読むのに増して難しいです。理由は、文法が複雑なことと、読まない子音をたくさん書くことにあります。

 

1年生の後半では、下の写真のように「4コマ漫画にストーリーをつける」という宿題が二回出ました。「大人に手伝ってもらって」書いてきなさいという但し書き付き。反対に、「大人に手伝ってもらって」の但し書きがなければ、文法や綴りが間違っていてもOK。子供が自力で書いてくるように、ということです。

 

上はフランス語のワークブック。下はフランス語を書く宿題。

上はフランス語のワークブック。下はフランス語を書く宿題。

 

1年生の終わりころには文法も

 

1年生の終わりころから、文法も習い始めます。まず、冠詞について習いました。
次に、品詞分解を習いました。下の写真のノート左ページで、品詞分解をしています。

 

1年生の品詞分解

1年生の品詞分解

 

暗記・暗唱が多い

 

単語を覚える、詩を覚える、など、暗記・暗唱が多いです。単語は家で覚えて学校でテスト。日本の漢字テストのようなものです。詩は、家で暗記をして、みんなの前で発表します。

 

先に、まず冠詞について学習したと書きました。この学習の仕方が、「冠詞についての説明プリントを丸暗記する」方法でした。もちろん書いてあることはある程度理解しているのでしょうが、文法も丸暗記とは驚きました。

 

算数

 

1年生の算数で使ったものは、上からワークブック、ノート二冊でした。計算練習はありません。算数は宿題にもほとんど出されません。

 

1年生の算数

1年生の算数

 

 

日本よりはゆっくりペース

 

算数も、数字以外は筆記体です。フランス語がわからないと、答えはわかっていても、質問の意味がわからなくてバツになることがあります。進み具合は、日本に比べると随分ゆっくりしています。ですから、日本から来たお子さんは、フランス語がわからなくても楽勝でしょう。

 

数字の書き方が違う 最初の使い分けが大切

 

日本語とフランス語では、1と7と9の書き方が違います。4も若干違います。しかし、「学校で算数の勉強をするときには、フランス語の1と7と9を書くこと。自宅で日本語で算数の勉強をするときには日本語の数字を書くこと。」と小学校入学のときから使い分けをさせておくと、使い分けできるようになります。

 

算数も暗記!

 

「足して10になる足し算」を暗記する、という宿題が出たことがあります 笑。

 

 

その他のノート

 

冒頭の写真⇧の右下部分、

  • 宿題や明日の持ち物をメモするノート(オレンジ色・スーパーや文具店で自分で購入 cahier de texte)
  • 連絡帳(緑色・学校から支給 cahier vert)
  • 暗記モノだけを貼ってある小さいノート(青色の小さいノート・学校から支給)

の三種類です。

 

宿題をメモするノートや連絡帳は、cahier de texteといいます。書き込むよりも、印刷物をノリで貼ることが多いです。フランス語は「書く」のが非常に難しいので、必然的に先生が作成したお便りを貼ることが多くなります。子供の話によると、書くのではなくて印刷文をペタッと貼るのは、終業前の時間の時間短縮のためでもあるそうです。

 

青い小さいノートには、単語とか文法で暗記するものなどを貼ってあります。いわば暗記ノート。

暗記ノート

暗記ノート

 

まとめ

 

これらのノートは、うちの子が言うには、すべて先生の指示に基づいて書き込みます。自分で勝手に板書を写す、ということをしないようです。配られたプリントも、指定された場所に糊でペタペタと貼っていきます。つまり、

 

情報を一元化する!

 

ということです。知識が散らばらないように、参照しやすいようにまとめることを指導していると感じます。おかげで、無駄なノートを増やすこともありません。連絡帳にも、書いたり貼ったりします。日本みたいに、お便りもらったけど学校におき忘れた、なんてことが防げます。これまた合理的です。

 

宿題で使用するとき、または、親に出来栄えを見せてサインをもらってくるとき以外は、学校に置きっ放しで持って帰りません。おかげで鞄が軽く、忘れ物が防げますから、これまた合理的です。

 

時間割が決まっていないので正確な数字はわかりませんが、年間の授業の半分かそれ以上はフランス語の授業のような分配です。うちの子が1、2年生の時は、学校にフランス語を習いに行っているような感じでした。3年生になってようやく時間割が発表されました。

時間割

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2017年10月9日

 

先生の板書も常に筆記体です。これからフランスの学校に転入するお子さんは、アルファベットを筆記体で読み書きできるようにしておくと良いと思います。フランス語と英語の筆記体は若干違うので注意が必要です。

 

フランスで売っているほとんどのノートが、横にたくさん線の入ったタイプのノートです。使ったことのない人にとっては目障りで使いにくいです。私はこのノートが苦手で、日本でも売っているような普通の横線のノートを探しますが、スーパーには売っていません。文房具屋でようやく見つけられます。

 

▼筆記体は徐々に上達するということは、1年生のフランス語ノートをすべて公開しているこちらをみるとよくわかりますよ。

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▼フランスを語る上で、「合理的」というキーワード無しには語れませんよね。

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A bientôt!

ABOUTこの記事をかいた人

渋柿

フランスの公立学校に通う子供の母であり夫は日本人。フランスに移住して5年以上。フランス語はアリアンスでC1クラスに入るレベル。国際結婚でも駐在奥様でもない独自の視点で、フランスから海外移住や学校生活など様々な話題を渋くお届けしています。