フランスの小学校の2年生の音楽ではライシテlaïcité的な歌を歌って移民問題に想いを馳せる

音楽

 

Bonjour à tous! 渋柿です。

 

うちの子供が小学校2年生の音楽の時間に歌っていたのは、QUI NE SE RESSEMBLE PAS S’ASSEMBLE という曲でした。音楽の授業を見学に行った時に歌っていましたし、学年末の学芸会でも歌いました。

 

どんな曲なのか調べてみると、歌詞の内容が、とてもlaïcitéライシテ的だったのに驚きました。子供達はどのように感じるのでしょうかね。私は大人の目線で、色々と考えさせられてしまいました。

 

QUI NE SE RESSEMBLE PAS S’ASSEMBLE

 

 

QUI NE SE RESSEMBLE PAS S’ASSEMBLE

 

(Les enfants disent leurs noms)

Par le sang qui coule dans nos veines
De nos parents les joies et les peines
Les histoires , les souvenirs d’enfance
En héritage tant de différences

Mais quel que soit le nom que l’on porte
Origines et traditions qu’importe
Il faut bien apprendre à vivre ensemble

Qui ne se ressemble pas s’assemble !
(On continue à écouter les noms)  繰り返し

Bien sûr nos cheveux , nos couleurs de peau
Que l’on arbore très fiers , comme un drapeau
Les cultures , les coutumes qui nous séparent
Comme seraient d’ infranchissables remparts

Mais ne nous fions pas aux apparences
L’important est de se faire confiance
Il faut bien apprendre à vivre ensemble
Qui ne se ressemble pas s’assemble !

Qui ne se ressemble pas s’assemble ! 繰り返し

 

<大まかな訳>

(子供たちが自分の名前を順番に言う)

私たちの血管を流れる血をとおして
私たちの両親の喜びと悲しみ
すべての出来事、子供の頃の思い出
たくさんの違いを引き継いで

しかし、それぞれの名前がどうであれ
大切な出自や伝統
共に生きることを学ばなくては

互いに似ていない人たちが集まっているのだ!

もちろん、私たちの髪の毛、肌の色
国旗のように誇りを持って掲げるようなもの
文化や服装といった私たちを分け隔てるものは
乗り越えられない壁のようだ

しかし、見た目で判断してはいけない
重要なのは信頼してもらうこと
共に生きることを学ばなくては
互いに似ていない人たちが集まっているのだ!

 

まとめ

学校で楽器は習いません

音楽の授業は週一回。日本のように全員が縦笛を購入して楽器の演奏を行うということはありません。もっぱら歌を歌います。一度見学したことがあるのですが、うちの子が通う小学校の音楽室は、普通の教室に子供が腰をかけるためのベンチがいくつか置かれていて、CDを聞いたりビデオを見られるようになっていました。音楽の先生と担任の先生が一緒に授業をしていました。授業でどんな歌を歌うか?についても、担任の先生の趣味が色濃く反映されます。

小学校

フランスの小学校と日本の小学校の違いはこんなにある!31にも及ぶ違いを列挙するよ

2016年11月24日

 

フランスの小学校の先生には自由裁量があります。その裁量っぷりは、仮に日本の小学校の先生を1とすると、フランスの小学校の先生は100くらいになるのではないかと思います。教科書も先生が選ぶし、テストも先生によって違います。同じ学年でも先生が違うと様々なことが違います。ですから、音楽で歌う歌もクラスが違えば違います。

 

多様性の世の中を生きる術を身につける

歌詞の内容をよーく読んでみると、多様生のある社会における共存の必要性を歌った内容で驚きました。どおりでメロディーがアラブ調なわけです。日本の小学校低学年の子供たちにこのような内容の歌を歌わせたら、PTAに「まだ早すぎる!」「先生の思想を押し付けるな!」って文句言われるかもしれません。

 

国内や近隣諸国でテロが起こり、教室の中でも様々な肌の色や宗教の子供が共に机を並べていますから、子供のうちから「違うもの同士でいかに生活していくか」を学校生活を通して毎日経験している様子は、うちの子供の様子からも窺い知れました。

 

例えば、うちの子のクラスメートはモハメッドとかファラとかチャンマリーという名前だったりします。友達は普通にラマダンをしていたりもします。

断食 ラマダン

フランスの小学校に通う我が子のイスラム教徒のクラスメートは週末ラマダン中

2017年6月21日

 

このように、フランスのような移民社会で生きていると、自分とは違う人々とどのように共存していくかということについて子供の頃から経験をつみ、考える機会を与えられ、自分なりにどのように対処するのか訓練を重ねます。高校生にもなると、哲学を学ぶことで答えのない問題にどう立ち向かうかの訓練をします。

 

フランスのこのような教育と日本の教育を比べると、日本の教育は、知識を覚えこみ処理スピードを上げることで正確に回答することに偏重していると感じました。しかも、長い時間を過ごす学校のクラスといえばほぼ全員日本人。似た者同士が集まり、それはそれで居心地はいいものです。

 

しかし、日本においても移民を積極的に受け入れようという意見があります。その先にはどのような社会が訪れるのか、どのように共存していくのか、子供たちをどう教育していくのか、多様性に対応する技術を持っていない日本としては大変に困難な時代が訪れるのではないでしょうか。良い面ばかりを見ていたり、雰囲気や感情に押し流されて移民を受け入れるべきだ、と言ってはいませんか?移民を受け入れるということは、確実に難しく解決困難な社会問題が起こるということですよ。

 

まあ反対していても日本でも将来的には移民が増える方向にいくのかな、そうならざるを得ないのだろうなとは思います。私としては、子供がこのような歌を歌ったからといってすぐにどうになるものでもありませんが、子供の頃から社会にはこういう難しい問題があるのだな、という意識を持ち、実体験を通しながらフランスで逞しく育てていただいて、将来の困難にも対応できるような人間に育ってもらいたいと思えた点で、子供をフランスの学校に通わせて良かったと思います。

▼幼稚園年長さんの頃は、こんな可愛い歌を歌っていたのに。小学生にもなると、深刻な歌詞の歌を習うのですね。

初めて覚えた歌une petite coccinelle

フランスの幼稚園で初めて覚えた歌は空耳アワー的

2016年12月3日

A bientôt!

ABOUTこの記事をかいた人

渋柿

日日家庭の妻。フランスの公立小学校に通う子供の母であり夫は日本人。フランスに移住して5年。投資歴10年。音楽歴は30年以上。フランス語はアリアンスでC1クラスに入るレベル。国際結婚でも駐在奥様でもない独自の視点で、フランスから海外移住や学校生活など様々な話題を渋くお届けしています。