Bonjour à tous! 渋柿です。
フランスに海外移住するメリットを挙げたので、次はフランスに約10年住んだ実感を踏まえて11のデメリットを赤裸々に挙げてみます。
デメリット
親の死に目に会えない可能性→心的ストレス
フランスに限らず、海外移住すれば必ず付いて回るこの問題。
私のように親との関係が微妙な人でも、実際に親の死に目に会えないというのは非常にショッキングな出来事でした。

自炊の負担が増える→肉体労働増
フランスは外食が高いです。ランチに行くとなると一人2500円は出費する覚悟がいります。
レストランで心地よいサービスを受けながら美味しいものが食べられれば満足ですが、残念ながらそのようなレストランが多いわけでもありません。
レストラン向けの冷凍食品を解凍して出すだけのレストランも多いし、そもそも心地よいサービスを提供できな店も多いです。
高いし、値段に対して満足感が低いので、基本的に自炊ばかりするようになります。自炊が苦手な人には、毎日の食事の支度が辛いと思います。
実際には、どんなものがどのくらいの量で出てくるのかわかっている、何度も通ったことのある、かつ、オーナーと友達のレストランにたまーに行く、程度です。

買い物の負担→肉体労働増
日本には、食材の宅配サービスがあるではないですか。外出中でも玄関前や配達ボックスに入れておいてくれます。子育て中や家族の多い方は利用している人が多いでしょう。
フランスではそのような便利なサービスは聞いたことがありません。きっと盗まれるのがオチでしょうし。
ですから、買い出しの負担が増えます。近所にスーパーマーケットやマルシェのない家に住んでいると、本当にとてつもなく不便です。


終わりのない語学学習→逃れられないストレス
フランスではフランス語で全て進行します。


国際カップルでしたら、配偶者が手伝ってくれるのでしょうが、日日家庭の場合はそうはいきません。

自力で生き抜くために、日々語学との戦いです。語学が苦手な人はもちろん、若い頃に勉強しなかった、又は勉強が苦手だった、という方は特に辛いと思います。
移民扱い→自尊心破壊
日本は先進国。私は日本のパスポートを持っているのよ!貧しい国からの移民とはちょっと違うのよ!と思っていても、残念ながらフランスでは通用しません。アフリカなどのからの移民と一緒くたの扱いを受けます。
移民局などの行政と関わる場面は完膚なきまでに一緒くたです。
日常生活でもそういう傾向があります。ですから、タイミング悪くこのような扱いを集中的に受けてしまうと、自尊心を破壊される恐れがあります。
フランス人は親日的、という人もいますが、残念ながら実際はほんの一部です。
普通のフランス人は、日本がどこにあるのかも、中国と違う国だということも知らない人も結構います。中国人嫌いのフランス人に、執拗な攻撃を受けることもあります(実話)。彼らには、日本も中国も韓国もベトナムも全部同じ国です。
日本人だ!日本人は規律を守ってきちんとしている民族だ!とフランスで思っているのは、日本人だけです。

小学校卒業までは毎朝毎晩子供の送り迎えをしなくてはならない
お子さんがいる場合は、学校や習い事など、子供が外出するときには大人が付き添わなくてはなりません。これが日々の重労働です。
日本では子供一人で平気で外出させますが、フランスでは絶対にさせません。中学になったらようやく一人で登下校させるようになります。中学になっても、下校が冬の暗い時間帯にはお迎えに行きます。
小学校の目の前に住んでいる場合は、子供一人で学校に行かせる人もいますが、学校に届け出が必要です。習い事でも、子供を一人で帰してもいいと届け出を出す必要があります。
ですから、どこに出かけるにも親がついていかなくてはなりません。親がついていけない場合は、隣町に住んでいる親戚にお願いしたり、送り迎えだけのために人を雇ったりします。それほど、子供の送り迎えは子供の安全を守るために重要です。
どこで事故にあうかもわからないし、痴漢や人さらいもいるからです。
「子供の送り迎えは最重要事項」という意識はフランス社会では共有されているようで、「子供の迎えの時間だから!」といえば、仕事や会合など、何かに拘束されていてもすぐに解放してもらえます。

勝手に子供を外で遊ばせることができない→外遊びに付き合う必要
送り迎えと同様に、子供を一人で勝手に公園で遊ばせるということも絶対にしません。必ず大人が付き添います。
ですから、放課後に友達の家に遊びにいくとか、友達と一緒に子供だけで公園で遊ぶ、なんてことは絶対にありません。
家に勝手に遊びに来られることがないのは助かりますが、友達の家に行くにも、外遊びをするにもいちいち付き合わなくてはならないのは重労働です。
静かに暮らすのは難しい
パリに行ったことがある人ならご存知だと思いますが、フランスには白人のフランス人がいっぱいいると思ったら大きな大間違い。
白人系はむしろ少なく、いろんな人種がいて、文化も様々。地方も大概です。
唾を吐く、大きな声でしゃべくりまくる、女性蔑視、平気でタバコを吸う、タバコをくれという、お金を恵んでくれという、汚い犬を連れている、列に並ばない、平気で横入りする、平気で落書きをする、、、といった困った人たちも多いです。
赤裸々に言ってしまうと、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系など人種の如何をとわず、困った人や変な人、つまり私生活では関わりたくないような人がものすごく多いです。
むしろアジア系は見た目も似ているし、おとなしいので付き合いやすいです。
そういう厄介な人たちを避けて、静かに暮らしたり、静かに移動したりするというのは、とても難しいです。
公共交通に乗れば、必ず一人や二人、ブツブツ言っている人(薬中)やビールびんを持ってフラフラしている人(アル中)に遭遇します。


とにかく不便
日本の便利さに慣れていると、かなり多くのことが不便に感じます。
列に並ばされる、急なストライキで予定変更なんて、日常茶飯事です。
病院の予約だって、正しく取れていないことがあって驚愕します。事務的なことは特に、人が介在すればするほど、ミスがおこります。一人一人の仕事のクオリティが想像できないほど低いです。


信用ならないことが多すぎる
日本には普通に機能していることに信用を置けません。
郵便物が来なかったり、鉄道も急な運休やストライキで困ることがあります。

日本との時差や距離、交通費
日本から東南アジアへの海外移住に比べると、フランス移住をはじめヨーロッパへの移住は、時差も大きいし、距離も遠いです。頻繁に日本へ行く機会のある人には厳しいです。
飛行機代もアジアに比べると高いですから、毎年一時帰国したくても数年おきにしか日本へ戻れない人もいます。
例えば、日本とフランス間の時差は8時間(冬時間)もしくは7時間(夏時間)、東京〜パリ直行便で約11時間から12時間。日本とマレーシアなら、時差は1時間、直行便で約7時間。LCCも飛んでいますから、交通費もヨーロッパに比べれば安く上がります。

まとめ 苦労するよ
憧れや勢いだけでは海外移住を長期戦に持っていくことは難しいです。正直に言いますと、苦労も多いです。
しかし、それを上回るメリットがあるのも確かです。ですから、このようなデメリットも知った上で多くの人に挑戦してもらいたいと思っています。

A bientôt!