Bonjour à tous! 渋柿です。
フランスの小学校では、1年生と2年生のときは時間割がありませんでした。毎朝、先生が「今日はこれをしまーす!」といって、時間割を発表して教室の前の黒板の下に張り出していました。
子供の話によると、1、2年生のときは、ほぼ毎日午前中はフランス語。次いで算数をちょっとやる程度。英語は週1回。社会や理科は、毎週時間を取るのではなくて、プロジェクト的にまとめてやっていました。「豆電球と動線」とか「フランスの地理」とか「第二次世界大戦の戦争体験」など。


2年生の時の戦争体験の授業では、戦場で実際に兵士がかぶっていたヘルメットを被らせてもらったり、ナチに連行された経験のあるポーランド系ユダヤ人のおじいちゃんをお招きしてお話を聴いたりもしました。
いつ、どんな授業を子供が受けてくるのか?よくわからないフランスの小学校。ところが、3年生になってようやく担任の先生から時間割が発表になりました。
これがフランスの小学3年生の時間割
上の写真は、保護者会の時に先生がプロジェクターに映した時間割表です。下にわかりやすくまとめました。
8:20-8:45 | 25分間 | 登校、授業の準備 |
8:45-9:30 | 45分間 | フランス語(読み、もしくは言語の勉強) |
9:30-10:10 | 40分間 | フランス語(作文、もしくは綴りの練習) |
10:10-10:25 | 15分間 | 休み時間 |
10:25-11:30 | 65分間 | 算数 |
11:30-13:45 | 2時間15分 | お昼休み |
13:45-14:15 | 30分間 | EPS(体育) |
14:15-14:45 | 30分間 | 社会/美術 |
14:45-14:55 | 10分間 | 休み時間 |
14:55-15:40 | 55分間 | アトリエ |
15:40-16:00 | 20分間 | 宿題をノートに写す、下校の準備 |
なんと、お昼休みは2時間15分もあります。長い!

厳密ではなく、大体の目安ですって。
日本の学校のように、曜日別に細かく分かれている時間割ではありません。先生の話によると、午後の時間割は、曜日によって変わるとのこと。例えば、音楽は月曜日だけだし、体育も火曜日だけです。
つまり、時間割といえども1週間を通して、だいたいこんな感じで時間割を組んでいますよ、という程度のものです。
毎朝フランス語から始まることから、フランスのフランス語教育にかける意気込みが伝わってきます。子供のクラスでは、毎朝10分間、各自のホワイトボードを使って単語を覚える時間が取られているそうです。「綴りの練習」ですね。この時練習した単語をディクテとしてテストするそうです。

また、日本の学校では、1教科45分などと時間が決まっていますが、時間割を見ると、フランスでは決まっていないようです。
子供の話によると、アトリエの時間は特に決まったことをするわけではなく、算数をやったりフランス語をやったり、その日によって色々だそうです。
そして、放課後は例年通り、18時まで預けることができます。朝は7時50分から預けられます。

EPSって何のこと?
EPSとは、Éducation physique et sportiveの頭文字を取ったもので、フランスやカナダのケベックでの教育システムに取り入れられているそうです。小・中・高校と成長する段階に応じて、教育的効果を狙って行われるようです。といえば大げさに聞こえますが、いわゆる体育の授業です。特に、フランスでは小学1年生から高校3年生まで必須となっています。
うちの子供が通うフランスの公立小学校では、徒歩圏内にある市営の体育館に行って体操をしたり、体育の指導教官が学校を訪れて、ホッケーなどの指導をしてくれます。プールの授業の時期には、市営のプールに行くこともあります。

週1回の音楽の授業
うちの子供が通う公立小学校には、音楽だけは専任の先生がいます。週1回、音楽の先生のいる部屋に行って、音楽を聴いたり、歌を歌ったりします。ごくたまに、コンセルヴァトワールの先生や近隣の演奏家が演奏を聴かせに来てくれることもあります。

音楽室といっても、ピアノが置いてあるわけではなく、子供達が座る長椅子と、ビデオを見る機械と、電子ピアノが置いてあるだけです。楽器の演奏は、学校では習いません。日本の小学生が必ず持っている縦笛やメロディオンも購入する必要がありません。楽器を習いたい人は、放課後コンセルヴァトワールに行って習います。

鐘が鳴るのはいつ?
日本の学校では、教科が変わるごとに、休み時間が始まるごとに鐘がなりますよね。しかし、フランスの小学校では、鐘を鳴らすのは最小限。子供が言うには、子供が通う学校では、鐘が鳴るのは
- 午前中の休み時間が始まる時
- 午前中の休み時間が終わる時
- 昼休みが始まる時
だけだそうです。午後の休み時間(14時45分から14時55分まで)を知らせる鐘は鳴らないそうです。各クラスばらばらに休みをとり、授業の進み具合や先生の考えによっては、午後のこの休み時間はなくなることもあるそうです。
毎晩時間割を揃える必要はなし!
これは、時間割が大体しか決まっていないからというわけではありません。ノートや筆記用具は、基本的に学校に置きっ放しなので、自宅で、翌日の時間割のためにカバンの中身を入れ替える、という作業がありません。

これって、子供にとっては結構難しいし、毎晩声をかける親としてもストレスフルですよね。忘れ物をすれば、翌日困ってしまいますし。だから、学校に置きっぱなしにしてきてくれて助かります。家にノートを持って帰りたい時には自由に持って帰れるそうです。
まとめ
1教科あたりの時間がばらばらだということといい、午後の休みの時間があったりなかったり、と、フランスらしく適当です。
とはいえ、とりあえず毎日フランス語から始まるというところが、フランス語命!のフランスにおける教育の特徴だと感じます。
▼フランスの学校には、日本の学校に当然あるものが無いのですよ。最初はびっくりしますが、慣れます。

▼なんと、卒業式も無いのですよ。でも、慣れますから大丈夫。

A bientôt!