フランスでは卒業学部が重要!中学生で職業体験をするあたりから将来について真剣に考えるのです

職業体験

 

Bonjour à tous! 渋柿です。

 

今日から学校が始まりました。外に出ると冬の寒さでした。

さて、フランスでは数日前から、ブルターニュの中学生が大統領府の職業体験(インターン)に採用されたということが話題になっているらしいので、今日は中学生の職場体験に絡んだ話をしましょう。

 

フランスの中学生の職業体験

少し前の話ですが、うちのシェリーの職場に、数名の中学生が研修にやってきました。フランスでは中学4年生(日本の中学3年生にあたる)になると、1週間程度の職業体験をするそうです。中学生のこの時期、実際の職場を体験するというのは、子供にとってとても有意義なことだと思います

しかし、地元紙にも載っていましたが、受け入れ先を見つけるのも大変だそうです。なんの戦力にもならない中学生の相手をできる職場ばかりではありませんから。子供は自分の希望を元に、両親や親戚のつても使って研修先を見つけるらしいです。

 

大人びているフランスの中学生

シェリーの職場でこの研修生の面倒をみていたのは、もちろんフランス人の同僚です。彼らは真剣に説明を聞き、質問もしていたそうです。その様子を見てうちのシェリーが思ったのは、

「フランスの子供は、幼稚園や小学校のころは日本の子供に比べるととても幼くみえるけれど、中学生になると急に大人びていてびっくりする。仮に、日本の中学生が職場体験にきたとしたら、『親や先生に言われたからしょうがなくやってるだけ。かったるーい!』みたいな態度をとる子がいそうなものだけど、全員が真剣で驚いた。受け答えも非常に礼儀正しくしっかりしている!」とのこと。しきりに感心していました。

実際に働く人から仕事上の説明を聞くのはもちろん、お昼も一緒に食べることによって、話が広がり、生活全体のことまで業界人からリアルな話が聞けるというのは、15歳くらいの子供にとっては非常に重要だと思います。

この経験で好感触を得れば、リセに入ってから勉強の励みにもなり、進路選択もより自信をもってすることができるでしょう。親以外の大人と接すること自体も貴重な経験です。

反対に、これは向かないな、思ったのと違う、と思えば、あっさりと別の分野を探す契機にもなります。

また、なかなか受け入れ先が決まらなかったとしても、それ自体が現実を知るきっかけにもなります。

 

フランスでは、どの学部を終了したのか?が重要

日本ではあまり知られていないと思いますが、フランスでは、どの学部を卒業したか?ということが将来の職業選択において非常に重要な意味を持ってきます。卒業学部と職業に一貫性がないと就職につながらないのです。

ですから、フランスの大学生は、入学後に「ちょっと自分が思っていたのとは違う」とか「この分野は好きだけど、将来の仕事獲得には非常に不利」と思えば、転学部します。それも、時間的に許されれば何度も転校転学部します。卒業してしまってからでは取り返しがつかないからです。

うちの子供のベビーシッターに来ていた大学生も、2回の転校転学部の末にようやく方向性が定まった、と話してくれました。いまでは、その方向で企業のスタージュ(研修)に出向いているそうです。大学生のスタージュともなれば、報酬も払われるそうです。

ベビーシッター

我が家が渡仏してすぐの頃、フランス人学生にベビーシッターに来てもらっていました

2017年2月16日

 

このように、フランスの学生はリセの時からも、バックをとって大学入学前もそうですが、入学後も卒業まで慎重に進路を進めます。この間、ずーっと「自分は何に向いているのか。世の中にはどんな需要があるのか。」などと考え抜かなくてはなりません。実直な態度が要求されるのです。部活や受験がない代わりに、こういうことに時間を取られているのです。

この辺の感覚は、日本にいるとピンと来ないと思います。

日本では、将来のことなんて考える暇もなく部活や受験勉強しをて、ようやく就職活動の時期になって初めて将来について考える人が多いとおもいます。これでは遅かったと思っている大人も多いはず。

 

まとめ

だから、日本のように、部活と受験勉強でヘトヘトになる中高時代を経て、とりあえず就職を有利に進めるためにがむしゃらに偏差値の高い大学の学部に入っておいて、就職活動の時期になってから考える、という手法はフランスでは通じないわけです。

例えば、とりあえず、大学では政治経済を勉強しておいて、でもやっぱりお菓子作りが好きだから菓子職人になる、なんてありえないのです。甘っちょろいです、フランスから見ると。日本は柔軟性があるといえば良いように聞こえますが。

だから、ああ、日本って部活や受験勉強という将来にとってどうでもいいことに多くのエネルギーや大金払って真剣に取り組み、将来の職業となんら関係のない学部を卒業するなんてことが当たり前の社会は、本当に平和だな、って思います。就職活動までは将来のことを真剣に考える隙はほとんどないわけです。本当にこれでいいのかしら?

まあ、これは構造的な問題なので、ここでボヤいていても何の解決にもなりませんが。

繰り返しになりますが、フランスでは、卒業してしまったら取り返しがつかないので、それまでに色々と試みるのです。転校転学部もそうですが、国を離れて世界を見て見たい、ということもあるでしょう。こうやって、自分自身を知り、将来の方向を見定めていくのです。

若いって大変。でも、よりよく生きて行くためには、つまり、自分の人生を歩んでいくためには、私的には、フランス的やり方に一票を投じます。大事な時期に、余計なことに時間を取られて、将来のことを真剣に考える材料も暇も無いのは可哀想ですよ。真剣に考えたとしても迷いが生じるのが人生なのですから。

A bientôt!

ABOUTこの記事をかいた人

渋柿

日日家庭の妻。フランスの公立小学校に通う子供の母であり夫は日本人。フランスに移住して5年。投資歴10年。音楽歴は30年以上。フランス語はアリアンスでC1クラスに入るレベル。国際結婚でも駐在奥様でもない独自の視点で、フランスから海外移住や学校生活など様々な話題を渋くお届けしています。