Bonjour à tous! 渋柿です。
日本の小学校では、宿題の多さに悩む親御さんが多いですよね。毎年夏に日本に行くと、友達から小学校の宿題の多さについての悩み話を聞きます(学校によっても違いがあると思いますが)。宿題というのは、家庭の時間を侵食するものですから、取り扱いは慎重になっていただきたいものですよね。
そんな日本の悩める親御さんには申し訳ないのですが、我が家はフランスで、ただでさえ少ない宿題から、今年はほぼ解放されました!

ところで、8月29日くらいから急にアクセスの集中した記事がありました。宿題なんていらないのではないか!?ということを論じている記事です。これです⇩

日本の夏休みも終わりに近づいて、宿題が終わらない!と焦って「まったく、宿題なんて厄介なものだして!!」とプンプンしている親御さんが多いのかな?思っていましたが、どうやらニュース番組でキャスターが「夏休みの宿題なんて無くていいと良いと思います!」と発言したのに端を発したということがわかりました。
夏休みの宿題なんて無くて当たり前の国で生活していると、そのような発言をきいても「だよね!」って思うだけです。
さて今日は、とあるフランスの小学校3年生での宿題の取り扱い方について、ご紹介しましょう。結論からいうと、担任の方針で、宿題は出さないということになりました。
1、2年生の時はは5分程度の宿題量 もし20分以上かかったらそこで止めてよし!
去年までのクラスでは、バカンス以外では毎日5分程度の宿題が出ていました。しかし、その5分程度の宿題ですら、「邪魔くさい!」と思ってしまいます。いちいち親が「宿題やった?」ときいたり、時間が遅くなると「もうそろそろ宿題やったら?」と聞かなきゃいけないからです。毎日のこの積み重ねが、親子共々徐々にストレスとなります。
宿題さえなければ、こんな会話をしなくても済むのですが、低学年だったので毎日5分だけでも家庭で音読したり、単語を覚えたり、という勉強をするというのは、勉強の習慣をつけるという意味では有効だったと思います。おそらく、先生の意図もそこにあったはず。
その少しの宿題でも、もし時間がかかるようだったら、20分以上はやらなくてよい、出来たところまででよいです、とのことでしたから。
3年生のクラスは宿題は基本的に無し!出すとしてもたまに。の完璧な理由とは?
新学期が始まり、この前保護者会がありました。勉強の仕方、時間割、持ち物、罰則など様々な話題があり、もちろん宿題については先生が考え方を述べられました。今年は基本的に宿題無しだそうです。
今年のクラスは、毎日午前中はフランス語の授業だそうです(今年に限らず、毎年こんな感じですけどね)。ディクテや作文、綴りの練習などを毎日やります。そして、長いお昼休みを挟んで、午後4時まで授業を受けます。
先生がおっしゃいました。
とのこと。実際に、こんな宿題が出され始めましたよ。

「宿題無し」に全員あっさり納得したことに驚いた!
すばらしい!先生その通りです!!!と嬉しくなってニヤニヤしてしまいました 笑。
ここで、「宿題出してもらわないと困ります!!!」って言う親がいそうではないですか?納得できなかったら、喧々諤々の議論が始まります、フランスのことですから。だから、キョロキョロと他の親御さんの反応をうかがってみました。
しかし、出席していた親たちは皆、ふんふん、といった様子で、質問や異議もなく、あっさりと皆さん納得して、スムーズに次の話題に移りました。放課後の、自分たち家族の時間を侵食されないと考えれば、先生のやり方は適当だと合理的に判断できますからね。
3年生にもなれば、スポーツやアートなどそろそろやりたいことが定まって課外活動の活動時間が増える子もいますしね。ちなみに、フランスの課外活動の種類は豊富ですよ。部活ではなくて、校外で行います。だから、興味があれば参加すればいいだけ。強制もありません。
日本の状況を知っている私としては、この、保護者一同があっさり納得して次の話題に移ったことに、逆に驚いてしましました。
▼この学年では、例外的にクリスマス休暇中に6つの宿題が出ました

外国人家庭にとっての宿題の意義とは
我が家のように両親ともにフランス人ではない家庭では、フランスの学校で何をどんな風に習うのかわかりません。宿題は「今どんなことをやっているのか?」知るための材料となっていました。
だから、新学期が始まってから保護者会の日まで、「なんだか今年のクラスは宿題ほとんどないなぁ」と感じていて、進度を知る判断材料が手に入らなくなっていたことに、多少不安を感じていたのも事実。
しかし私は、宿題がない代わりに、学校での出来事や、どんなことを習ったのか、子供の口からお話してもらうことにすればいいや、とも思っていました。習ったことを誰かに話すというのは、アウトプットにもなるし、親もどんなことを習ったか知ることができますからね。合理的で省エネです。
保護者会では、宿題がない代わりに我が家がやろうとしていたことそのまんまのことを担任の先生が提言してくれて、本当に嬉しくなりました。
持って帰ってきたノートを見てみる
言われてみれば確かに、学校でしっかり習って来れば、家ではノートを見ながら親と学校の話をすれば十分です。実際、添削されたフランス語作文ノートを持って帰ってきました。そして、間違った単語や重要な文法事項は、A〜Zの見出しのついた別のノートに抜き出すのだそうです。
「先生が直してくれたところは、次に同じ間違いしないように気をつけていれば大丈夫だから。先生に直してもらったところは見直して大切にしなさい。うちでは見てあげられないから、それしか上達の方法はないと思うよ。」と言っておきました。こんな会話を通じて意識付けだけしておけば、後は勝手にやってくれるでしょう。
まとめ 宿題は無くてよし!!
今年は本格的に宿題から解放されました。フランス語も今のところは問題ないです。だから、家庭では家庭のペースで学習を進めることができるし、スポーツやアートなどの課外活動にエネルギーを注げそうです。特に我が家では、日本語の勉強もしなくてはなりませんから、宿題が多すぎると時間がなくなって困るのです。

個々の能力はそれぞれです。国語が苦手な子もいれば、算数が苦手な子もいる。それを一緒くたにして一緒くたに同じ問題をとくことに意味はありません。無駄です。
フランスへの移住生活もいいことばかりではありません。しかし、フランス語を覚えてスポーツもアートもやって〜、と、今となっては子供の時間を効率良く使えることに、5年も辛抱してよかったなあ、としみじみ感じます。
子供の貴重な時間を、大切にしたいものです。宿題に取られる時間が少なくなれば、『スタディサプリ』など家庭学習に適した教材を使いながら自分のペースで予習復習することが可能となり、効率的ですよね。
▼渋柿さんって、保護者会に出席してもフランス語わかるの!?いい加減な記事書いているんじゃないの?って思っている方!ちゃんとわかって聞いていますよ 笑。

▼3年生のクラスでは、本の定期購読もなくなりました。

▼たまーに出る宿題ですらやってこない子供が多くなってきて、宿題が出始めました。

▼休んだ日の宿題は、クラスのブログで確認します。

A bientôt!