【移住斡旋トラブル】隣国ドイツで親子留学を斡旋する業者とインターネットを利用した商取引を安易にしないように日本大使館が注意喚起

Bonjour à tous! 渋柿です。

このブログでは主に、海外移住に興味のある人向けに記事を書いています。

海外移住はいいこともあるけど、大変なこともあるよ、日本人同士の争いごともあるから、気をつけて!と何度も書いてきました。こちらの記事によくまとまっています。

私が質問を受け付けない理由

私が個人的な質問や相談を受け付けない理由と海外移住について私なりのアドバイス

2016年12月4日

日本人同士の争いごとというのは、特に、子供を連れた移住に関してです。子連れというだけで事態は一層複雑化しますから。

お隣のドイツでは、「令和元年8月 在ドイツ日本大使館安全の手引き」の中の「詐欺・金銭トラブル(12ページ)」の項目において、日本やその他外国に居住する日本人の親子向けに「ドイツへの親子留学」を斡旋しているドイツ国内の移住斡旋業者とは「インターネットを利用した安易な商取引は極力差し控えるようにしましょうね」という一文を新たに付け足したそうです。

ドイツへの親子留学:ドイツへの親子留学を勧めるウェブサイトを見て,海外での生活に夢を抱き,子供を連れてドイツへ入国した。斡旋業者に前金を振り込み,住宅の確保,滞在許可申請や学校への入学手続きをお願いしたが,滞在許可はおりず,子供の学校も決まらない。斡旋業者は親身に対応してくれず,一向に物事が進まず,収入もないので,路頭に迷っている。 

出典 令和元年8月 在ドイツ日本大使館安全の手引き

ここでいう親子留学とは、日本(または海外)に居住する日本人親にドイツでの親子留学の素晴らしさを訴求し、子供の教育のために日本の生活を離れる決心をさせて渡独させるところから始まる、という点に特徴があります。すでに渡航している、または渡航予定になっている人向けのサービスとは少し趣が違います。

この記事では、この親子留学のトラブルを例に挙げて、移住斡旋でトラブルを防ぐにはどうしたらよいのか、よりよい親子留学・海外移住を実現するにはどのような点に注意したらよいのか、などについて再度考察してみたいと思います。

親子留学で業者が親身になってくれなくて怒り爆発というのはわかる

このブログでも書いていますが、子供を連れた移住は、複雑な、忍耐を要する手続きがたくさんある上に、現地語でこなす必要も高まります。

例えば、学校の手続きであれば、役所や先生と現地語でやり取りする必要がありますし、不動産に関しても、子供が通う学校のことを考えるとどこでも良いというわけにもいきません。

学生向けの物件であれば数あれどファミリータイプの物件は意外と少なくて、競争率も高くてなかなか思うような物件に住むことができずに窮屈な思いをすることもあるかもしれません。契約に関してもやはり現地語が必要になります。

滞在許可に関しては、フランスでもそうですが、政治状況によって頻繁に変わるし、同じような属性であっても、少しの違いや担当者の考えの違いやタイミング如何で結果が違って来ることがあります。

業者にお金を払ったから自分は絶対大丈夫と思っても、絶対大丈夫ということはありません。その払ったお金は行政の担当者の所にいくわけではありませんから。

親の方は、日本での仕事も清算してきているでしょうから貯金を切り崩しながらの生活をつづけざるをえず、滞在許可も出ない、学校の手続きも進まない、住宅の確保もできない、現地語で言われていることが理解できないような状況のなか、業者が親身に対応してくれないと路頭に迷ってしまいます。

どうしようもなくなった日本人が最後に頼るのが、日本大使館です。このような報告が増えているので、今回、インターネットを通じた「親子留学」の取引について注意を喚起したのではないかな、ということが容易に想像できます。

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2019年6月3日

結果が思うように出なかったからと、一方的に「騙された!」と言ってもいいものか?

しかし、業者も商売で生活がかかっていますから、依頼人が1円も払ってもらわないうちからお世話を始めるわけにもいかないでしょう。

全額一括払いか、まずは着手金なのか業者によって違いがあるでしょうが、依頼主も報酬システムを納得の上で支払いをし、自分の案件に着手してもらい、その結果、日本でのあれこれを清算して現地まで飛んできたのでしょう。

ですから、もらえると思っていた滞在許可がもらえなかった、子供の学校がなかなか決まらない、行けると思っていた学校から拒否された、という残念な結果であっても、一方的な被害者意識でもって「思っていた結果と違う!お金を払って被害にあった!騙された!」とは言えないのではないかなと思います。

トラブル化する原因を分析してみる

このブログでも何度か書いている通り、子連れの移住はトラブルになる要因がたくさんあります。子供が絡むだけあって、親の感情も大爆発してしまうのです。

子供を連れた留学であること→事態を一層複雑化させる

夫婦2人での移住に比べると、子供の学校の手続き、住む場所、など、子供がらみの様々な要素が増えます。これらは、滞在許可の問題と同様に最初の一歩でつまずく要因となり得ます。

滞在許可も得られない、学校の手続きもうまくいかないとなると、そのストレスは相当なものと想像できます。

子供の怪我や病気だけでも、生活が回らなくなります。

病気

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2017年9月11日

背水の陣

仕事がらみの移住ではなくて、子供の教育のための親子留学となると、親は日本での仕事を清算して渡航しているのだと思います。

これから現地で仕事を見つけるのか、ネット環境で日本との仕事を続けていくのか分かりませんが、家を清算し、物を処分し、渡航費や業者への斡旋料など多額のお金を使って、最初は貯金を切り崩しながらの一大イベントです。

仮に失敗して日本に戻ることになっても、一時的に身を寄せられる親族がいればラッキーですが、そうではないかもしれません。貯金もどんどん減っていく、日本で家を借りて家財道具を揃えるお金もなくなっていく、となると恐怖だと思います。

だから、依頼者は背水の陣なのです。こんなときに、業者が親身になってくれなかったら、少しのことでも怒りが爆発してしまうとおもいます。

斡旋業者が良いことしか言わない(マイナス面は詳しく教えてくれない)

業者も商売ですから、お客さんを逃さないためにマイナス面については言いたくない、というのは分かります。

しかし、子供を連れての海外移住、しかも子供の教育のための親子留学となれば、先に書いたように、事態が複雑ですし、背水の陣で臨んでいる依頼者が多いと容易に想像できます。

ですから、マイナス面についても積極的に伝えて、納得してもらう責任があると思うのですよ。そこをおざなりにして依頼者に夢を持たせてしまうって、罪づくりだなあと思います

依頼主自身が事前に情報収集を根気強く行わなかった(お金を払って楽に解決したい気持ちが強い)

海外の情報を得るには根気が入ります。

インターネットの情報だけでは絶対に足りません。どんなツテを使ってでもいいですから、現地在住の人に直接相談に乗ってもらうとか、現地に行って実際に見てみる、聞いてみる、短い間でもいいから住んでみる、ということが必要です。

それら情報収集を、面倒臭いとか、大変だとか、お金払えばやってもらえるだろうとか、あの人は良い人そうだし悪いことは言っていないからそこまでしなくても多分大丈夫だ、などといった理由で手抜きにしてしまうのは、とても危険です。

先輩の成功談に釣られる

ネット検索や業者からの情報により、少しだけ先を行く移住の先輩による「経験者の声」を収集してみると、苦労はあったけど万事順調にスタートし、新生活を満喫し始めたことがうかがえるので、きっと大丈夫と過信してしまうことがあると思います。

なぜこれが過信かというと、移住した初期というのは、気分が高ぶっているので、なんでも新鮮で、前向きに捉えられるものだからです。

仮に、最初の手続き類が万事うまくいったとしても、「思っていたのと違った!」という問題はその後からでも出てきます。

そういう時に、その人が乗り越えられるか、または、業者が親身に対応してくれるか、ということは、移住初期の経験者の声だけでは判断できません。

子供の勉学である程度の成果を出すためには、5年単位での滞在が必要だと思うからです。3年では子供が言葉を覚えただけで終了です。

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2016年11月23日

それでも業者に頼って海外に移住・親子留学したい人はどうしたらよいか

私が思うに、大きく二つの理由から、「業者は良いことしか言わない」ということを心得ておくことと思います。

良い業者でも自分の生活がかかった商売なので悪いことは言わない(傾向にある)ことを忘れない

マイナス面も教えてくれる業者が親切で信頼できる可能性が高くはなると思います。

しかし、海外生活は大変です。まして、子連れの場合は複雑です。せっかく夢を抱いていても、移住に関するすべてのマイナス面や、苦労する点を聞いたら、多くの人が諦めてしまうと思います。

だから、業者が教えてくれたマイナス面よりさらに何倍もの難点や苦労が言外に隠されている、という認識を持つ必要があると思います。

日本語でのビジネスは日本人相手しかできないということを知っておく

日本にいるとよくわからないかもしれませんが、海外で日本語によるサービスを行っているひとや会社は、海外(つまり居住地やその周辺)にいる日本人を商売相手としているということです。

当然、潜在顧客数に限りがあります。自分の生活もかかっています。言い方を変えると、少ないお客さんを同業他社と奪い合っているような状況です。

残念なことですが、日本人同士でお客さんを取った・取られたで諍いがおきたり、ひどい時には日本人が日本人を騙すということがよくあるのです。

ですから、尚更お客さんを逃すようなこと(移住に関わる負の点)は言ってもらえない、ということを前提にしておく必要があると思います。

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2019年5月9日

フランスに同様のサービス業者はあるの?

日本人向けの移住サービスはたくさんあります。留学サポートや、不動産関係・滞在許可関連の通訳や帯同です。既にフランスへ渡航している人や、フランスへ渡ることが決まっている人向けのサービスが主です。

しかし、今回問題となっているドイツの移住サービスがフランスのそれと違う点は、日本(または海外)に居住する日本人親にドイツでの親子留学の素晴らしさを訴求し、子供の教育のために日本の生活を離れる決心をさせて渡独させるところから始まる、という点です。

フランスで同様のサービスというのはまだ聞いたことがありません。やろうと思えばできるのでしょうが、やるには勇気がいりそうです。

社会保障をむしゃぶりにきた移民が一番嫌われる

ところで、フランスで一番嫌われる移民というのは、各種無料の施策や補助金に目が眩んでがめつい人々です。こういう人は、親族の誰か1人を先に送り込んで、そのあとたくさんの家族を呼び寄せます。

一方で、政治的な理由で本当に国を追われて移住してきた人もいます。

学校や医療や子供に関する出費などが、無料であったり補助金が出たりしますが、これらはフランスの重税によって賄われていることは言わずもがなです。

フランスでドイツ同様の謳い文句でサービスを開始したとしたらどうなるのか?きっと可能ですよ。でも、想像してみると、知人友人から総スカンをくらうのでは?と思います。だから、それでも構わないという勇気が必要だと思います。

例えば、「フランスには、各種無料の施策がたくさんあって、日本で学校に通うよりもお金がかからなくなるし、フランス語も覚えられるようになります、最初は仕事が無くても、手当てもでることだし、お子さんの教育のためにフランスにいらっしゃいませんか?」と訴求する。

これって、一番嫌われる移民を増やすことに加担しているのと同じようなことです。

移民として外国で受け入れてもらって人間関係を良くしていくためには、お金をたくさん落とすなり、たくさん税金を納めるなりして、有形無形の貢献をしていきたいものです。

フランス移住

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2017年9月17日

日本大使館が日本人同士のビジネスに言及したのは

「令和元年8月 在ドイツ日本大使館安全の手引き」のスクリーンショット

この問題の特徴は、日本大使館が、不動産取引やスキミングと同列で日本人のビジネスに関して注意喚起をしているという点です。

単に、最近被害報告が増えているからということが予想できます。

しかし私は、日独両国の親善に関わることだからではないかな、とも思います。こういうサービスに跋扈されたら困るよ、生活保護や各種手当てなど、本当に必要としている難民などがいるのだから、わざわざ日本から呼び寄せなくても、などの理由で大使が呼び出しされたらおおごとです。

そもそも、大きくなってきた子供を非英語圏で教育することについて

大人が仕事目的で非英語圏に移住する場合、仕事は英語で事足りるということがあります。

しかし、子供の勉強目的となると、子供は非英語を習得しなくてはなりません。子供が大きければ大きいほど、語学習得とその言語で勉強することのハードルが高くなっていきます。

行き先が英語圏であって、英語が習得できるのならともかく、安く教育を受けさせられるとか手当てをもらえるからといって非英語でわざわざ教育を受けさせる意味を考えてみたほうが良いと思います。

世界の共通語は英語ですから、効率を求めるのであれば英語一択です。

非英語を中途半端に習得したところで、現地で通用しないどころか、日本に帰ってから使い物にならないと思います。フランス語やドイツ語は文法が英語よりもはるかに難しくて、習得に時間もかかります。フランス語の場合は3年はみておいたほうがよいでしょう。

その上、英語も習得するとなると、かなりの長期戦を覚悟する必要があります。フランスでも、中学から英語を本格的に習い始めるので、長い目でみればフランス語と英語の両方が習得可能ではあります。

さらにその上で、日本語の維持もするとなると、子供はかなりの負担です。ある程度大きくなるまで日本で育ったお子さんであれば、勝手に本を読ませるなり、親子で日本語で会話するなどで維持はできると思いますが、年相応の日本語を習得させるには、やはり主体的に勉強する時間が必要になります。

親が夢を見るのは仕方がありませんが、そこまでして、非英語圏に親子留学したいかどうか、冷静に考えて見る必要もあると思います。

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まとめ 自力で頑張るか、良い業者を探せるか

自力で頑張ろうと思えば、やれないことはないと思います。行政に関わる重要かつ最低限の部分を手伝ってもらうなり、相談に乗ってもらうなりして、全面的に業者に頼らなくても、やる気次第でなんとかなるとは思います。アフリカの奥地に行くわけではないですから。

でも、正直にいうと、知人や身寄りのいない外国に、斡旋業者だけのつてを頼って、場合によっては片親を日本に残して子供を連れてよくいくなあ〜、と思ってしまいます。親戚や知り合いがいたとしても、大変ですから。

我が家も振り返ってみると、様々なことがありました。そして、現在も様々な問題と格闘しながら生きながらえています。

生活が落ち着いて、子供も親もやるべきことが定まって充実してきたと感じるのは、つい近年です。

ですから、親子留学で子供の人生の一発逆転を急ぐのではなく、5年以上かけて作り上げて行くような気持ちで、ダメだったら日本に戻って仕切り直そう!くらいの余裕を持って挑んだ方が良いのではないかと思います。

最後に、私が考える、よいとおもう移住斡旋業者のポイントを挙げておきます。

  1. 現地在住が長く、配偶者が現地人(生活のことをよくわかっている)
  2. できれば現地の学校を出て、既に社会に溶け込んでいる(各所にツテが豊富かもしれないから)
  3. 現地での滞在許可をクリアーしている(自分の滞在のために無理な営業を仕掛けられない)
  4. 現地学校に通う子供がいる(子連れ移住の場合で現地校に入れたい場合)
  5. 現地語が堪能で、本人が業務を行なっている(スタッフに丸投げだと、スタッフ次第になるから)
  6. 本人が現地で良好な人間関係を構築している(個人営業の場合)

 

子供をつれた海外移住は、大変なことが本当に多いですが、日本だけでの生活では得られないような実りもあるのは確かです。

移住斡旋業者を利用して、理想通りの生活を実現できた経験者もきっといるはずですですから、業者としてもまんざら嘘を言って騙しているわけではないと思います。

ですから、切に望む方には、夢ばかりみて焦らず、是非冷静になって頑張って挑戦してもらいたいです。

A bientôt!

▼移住斡旋に関する考えはこちらによくまとまっています。

私が質問を受け付けない理由

私が個人的な質問や相談を受け付けない理由と海外移住について私なりのアドバイス

2016年12月4日

【現地で見た】海外移住しても失敗する日本人の理由10挙げてみる

2019年6月16日

ABOUTこの記事をかいた人

渋柿

フランスの公立学校に通う子供の母であり夫は日本人。フランスに移住して5年以上。フランス語はアリアンスでC1クラスに入るレベル。国際結婚でも駐在奥様でもない独自の視点で、フランスから海外移住や学校生活など様々な話題を渋くお届けしています。